カルト・ミュージック・コレクション CULT MUSIC COLLECTION



カテゴリ:ジャズ( 5 )


Blues Allnight / THE JAMES BLOOD ULMER BLUES EXPERIENCE

e0111398_2232891.jpgギター・サウンドが全く違う。使っているギターが違うからか。ジャケットはスタインバーガーを持っている写真だ。ジェイムズ・ブラッド・ウルマーもこんなギターを弾くことができたのだ、と変に感心してしまう。それほど、このアルバムでのジェイムズ・ブラッド・ウルマーは違う。それもそのはず、このアルバムにはロニー・ドレイトンというもうひとりのギタリストが入っている。もちろんジェイムズ・ブラッド・ウルマーもギターを弾いているが、そのスタイルはロニー・ドレイトンにあわせているようだ。そしてジェイムズ・ブラッド・ウルマーはボーカルに力点を置いている。

ロニー・ドレイトンはデファンクトにいたこともあり、ジャマラディーン・タクマのソロアルバム「ジュークボックス」にも参加したことのあるギタリストだ。ミシェル・ンデゲオチェロの「ビター」にも参加していた。ジェイムズ・ブラッド・ウルマーとは異なり、カラッと乾いた行儀のよいギターを聴かせてくれる。このダブル・ギターを支えるリズムセクションは、ベースが旧友アミン・アリ、ドラムはラウンジ・リザーズに在籍し、オーネット・コールマンの「イン・オール・ランゲージ」にも参加したグラント・カルビン・ウェストンだ。

ロニー・ドレイトンのギターも悪くないし、ソロ・パートではいかにもジェイムズ・ブラッド・ウルマーらしいフレージングを聴かせてくれるところもある。しかしこのアルバムでは、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーの歌を楽しむのがいいだろう。枯れた声はなかなかのものである。緊張感ではなくゆったり感を楽しむ、すなわち文字どおり「ブルース・エクスペリエンス」である。

録音は1989年で、西ドイツのCalren Studiosで行われた。このアルバムは1990年にIN & OUT RECORDSから発売された西ドイツ盤だ。(20070607/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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by cultmusic | 2007-06-07 02:23 | ジャズ

In the Name of ... / MUSIC REVELATION ENSEMBLE

e0111398_252835.jpg1980年代の熱いギター・プレイがよみがえった。いや、もっと研ぎ澄まされた緊張感あふれる演奏に進化している。ソロアルバム「オデッセイ」に代表されるように、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーのギターは悟りをひらいたかのような安定した優雅なものであった時期があったが、ここでは鬼気迫る演奏に戻っている。ギタースタイル、そしてサウンドから気がつくのは、ノイズを意識的に演奏に取り入れていることである。これはフレッド・フリスやアート・リンゼイにも似ている。アナーキーな感覚が強く感じられる演奏になっているのだ。

ベーシストに旧友アミン・アリを迎えたこともあるのだろうか。またドラムはコーネル・ロチェスターであり相手に不足はない。このトリオに加えて、ゲストとしてアルトサックスでArthur Blythe(トラック2,6,7)、ソプラノサックスとテナーサックス、フルートでSam Rivers(トラック1,5,4)、バリトンサックスでHamiet Bluiett(トラック3)が参加している。

もともとジェイムズ・ブラッド・ウルマーのギターは万人に好まれるものではない。ギターを少しかじった者が聴いたなら、もしかしたら下手糞だと思ってしまうかもしれない。ミスピッキングと思われる多数の音、コード進行を知らないかのようなでたらめなフレージング、不協和音。しかし一度好きになってしまえば虜になる。唯一無比の魅力がある。

ジェイムズ・ブラッド・ウルマーのギターはエロティックだ。全く正反対のギタースタイルはパット・メセニーである。パット・メセニーのギターは中性的で、色でいえばパステルカラーだ。それに比べてジェイムズ・ブラッド・ウルマーのギターからは、汗の匂いがする。色でいえば赤と黒の斑模様だろうか。

1曲目の「イン・タイム」は、ハーモロディック風の曲だ。音の隙間がありながら、緊張感にあふれている。2曲目「ノンビリーバー」もハーモロディック的である。このアルバムの中では優雅な方になるだろう。3曲目では疾走感のある怒涛の演奏を聴かせてくれる。ドラムのコーネル・ロチェスターの迫力によるところが大きいが、ベースのアミン・アリも絶妙のインタープレイで応えている。そして4曲目。この「マンカインド」の冒頭におけるジェイムズ・ブラッド・ウルマーのソロプレイは素晴らしい。ギターの弦に触れ、つまびく指先が見えるようだ。

5曲目「ヘルプ」はモダン・ジャズ的なアプローチで、アミン・アリのベースが饒舌に歌っている。6曲目「アバンダンス」はオーネット・コールマン的だ。冒頭のテーマは、とてもユーモアがある。7曲目「ピュリティ」はビートの変化が面白い。

録音は1993年の12月6日と7日、ニューヨークのEastside Soundスタジオで行われた。このCDは1994年にディスク・ユニオンから発売された日本盤だ。(20070606/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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by cultmusic | 2007-06-06 02:05 | ジャズ

Music Revelation Ensemble / MUSIC REVELATION ENSEMBLE

e0111398_1552350.jpgデイヴィッド・マレイ、ジャマラディーン・タクーマ、ロナルド・シャノン・ジャクソン、そしてジェイムズ・ブラッド・ウルマー。この4人の名前を聞けば胸の高鳴りを抑えきれないはずだ。

このグループのリーダーは、間違いなくジェイムズ・ブラッド・ウルマーだといえる。それは1曲目の「ボディ・トーク」を聴けばわかる。まさにジェイムズ・ブラッド・ウルマーの世界がここにある。だがジェイムズ・ブラッド・ウルマーはただひとつの世界に留まっている訳ではない。聴きようによってはたいへん耳障りな、ノイズの塊のようなギタープレイ。ただ一瞬の空白も恐れるかのように執拗にかきならすギタースタイルは独特のものだが、ここでのジェイムズ・ブラッド・ウルマーの音はたいへん整理されている。予想外に隙間がある。しかし、音が少ないにもかかわらず、グルーヴ感は何倍にも増している。まさに神がかった境地に達しているのだ。

2曲目の「プレイタイム」では、このカルテットがオーネット・コールマンの音楽の正統な継承者であることを証明している。おもわず小躍りしてしまいそうなメロディーが随所にあらわれ、メンバーは各自まちまちに好き勝手をしていながら、それでいてある一つの一体感をもっている。ここではジェイムズ・ブラッド・ウルマーのギターもいいが、デイヴィッド・マレイのサックスがとてもいい味を出している。まるでオーネット・コールマンの生まれ変わりのようだ。

3曲目「ニサ」では、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーのもうひとつの顔、ドローンを活かしてゆったりとした空間を聴かせてくれる。4曲目「ストリート・ブライド」は細かなリズムの切り方から、ロナルド・シャノン・ジャクソンの色が感じられる。デコーディング・ソサエティーでやってもおかしくない曲だ。5曲目「ブルース・フォー・ディヴィッド」はデイヴィッド・マレイの作曲だろうか。ここではオーネット・コールマンを意識したものではなく、比較的オーソドックスなサックスプレイをしてくれる。6曲目「バーン!」は典型的なフリー・ジャズスタイルに近い。

録音は1988年2月3日と4日。ニューヨークのA & R Recordingスタジオで録音された。このアルバムは1988年に発表された。ディスク・ユニオンから発売された日本盤だ。解説を中村とうよう氏が書いている。(20070605/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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by cultmusic | 2007-06-05 01:55 | ジャズ

Barbeque Dog / RONALD SHANNON JACKSON AND THE DECORDING SOCIETY

e0111398_1522919.jpgロナルド・シャノン・ジャクソンはオーネット・コールマンのプライム・タイムでドラムを叩き、ジャズの歴史上重要なアルバム「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」と「ボディ・メタ」に参加した。またジェイムズ・ブラッド・ウルマーの「アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ」やビル・ラズウェルの「ベースライン」にも参加した。またアルバート・アイラーやセシル・テイラーのアルバムに参加したこともある。

リーダー・アルバムとして日本で有名なものは「マン・ダンス」であるが、これはロナルド・シャノン・ジャクソン名義のアルバムとしては4作目である。この「バーベキュー・ドッグ」は続く5作目のアルバムにあたる。その大胆さ、斬新さ、エネルギッシュな演奏などあらゆる点において、俺はこのアルバムを、ロナルド・シャノン・ジャクソンの初期のベストアルバムだと確信している。

タイトル曲「バーベキュー・ドッグ」をはじめ素晴らしい曲が並ぶが、中でも俺のお気に入りは、とぼけたスピード感がある「ユーゴ・ボーイ」、そして独特の浮遊感をもつ「ホエン・チェリー・ツリーズ・ブルーム・イン・ウインター、ユー・キャン・スメル・ラスト・サマー」である。これ以外の曲も、リフが実に印象的で魅力がある。リフにからむインタープレイも素晴らしく、バンドとして有機的にうまく機能しており、各ミュージシャンの個性が存分に発揮されている。

ロナルド・シャノン・ジャクソンはアメリカ、テキサス州フォートワースで1940年に生まれた。数多くの革新的なアルバムに参加し、自らのバンド「デコーディング・ソサエティー」を結成したのは1979年である。セッションアルバムにおけるドラムプレイも見逃せないが、やはりリーダーアルバムが最ものびのびと叩いている気がする。日本ではアルバムが手に入れにくく、このCDも何年も探し続けて苦労して手に入れたのだが、できる限り追い続けたいミュージシャンのひとりだ。

このアルバムは1983年に発表された。1983年の3月にイギリス、ロンドンのジャム・レコーディングというスタジオで録音され、4月にアメリカ、ニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオで編集されたとある。デコーディング・ソサエティのメンバーとして、ドラムがロナルド・シャノン・ジャクソン、ギターがヴァーノン・リード、ベースがメルヴィン・ギブス、ソプラノとアルトサックスとしてゼイン・マッセイ、フレットレス・エレクトリック・ベースとしてリバーンド・ブルース・ジョンソン、トランペットとしてヘンリー・スコットの名前がクレジットされている。(20070502/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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by cultmusic | 2007-05-02 01:51 | ジャズ

The Frank Cunimondo Trio Introducing Lynn Marino / THE FRANK CUNIMONDO TRIO

e0111398_0444081.jpgフランク・カニモンドとリン・マリノのことを知ったのは、あるジャズのコンピレーションCDからだった。このコンピレーションCDを手に入れたのも偶然で、たまたま放出セールをやっていたWebのCDショップで、気まぐれに100円の値段がついたものを何枚か購入した中にあった。そのCDには、独特のハスキーな女性ボーカルの軽快な曲、一度聴いたらもう忘れることはできない魅力的な曲があった。それが「フィーリン・グッド」だった。

このコンピレーションCDで聴くまではフランク・カニモンドという名前を知らなかったが、有名なジャズ・ピアニストらしい。アメリカ、ペンシルバニア州のピッツバーグで生まれ、6歳の頃からクラシックピアノを習い始め、後にジャズピアノを弾くようになる。すでに10代前半で、ピッツバーグ周辺のクラブでジャズピアノを弾くようになる。19歳のときには、アトランティックシティーやマイアミなど多くの都市をツアーした。ピッツバーグでは有名なクロフォード・グリルというクラブでよく演奏した。また若きジョージ・ベンソンともステージをよく共にしたという。

またフランク・カニモンドはジャズピアノの教師としてのキャリアもある。デュケーヌ大学やピッツバーグ大学、カーネギー・メロン大学で教えたそうだ。また1980年代には「Cunimondo's Keyboard Jazz Supper Club」というクラブをピッツバーグでもっていた。1989年にはピッツバーグで「ベスト・ジャズピアニスト」に選ばれた。

一方で魅惑的なボーカルを聴かせてくれるリン・マリノについては詳しいことがわからない。物憂げに、気だるく、甘えたような幼い声は他にたとえようのない魅力がある。このCDにある簡単な解説によると、この録音の当時リン・マリノは19歳であったそうだ。CDの帯には「ピッツバーグが生んだ『もうひとりのブロッサム・ディアリー』の知られざる名唱が、いま蘇る」とある。だがブロッサム・ディアリーほどの素人くささはない。

俺が夢中になった「フィーリン・グッド」はもちろん、他にも素晴らしい曲がたくさんある。「フィーリン・グッド」はフランク・カニモンドのオリジナルではなく「Bricusse / Newley」のクレジットがある。このCDでは一曲目の「ラブ・ソー・ファイン」だけがフランク・カニモンドのオリジナルだ。この曲もいい。

このCDは2000年にサウンドヒルズレコードから発売された日本盤だ。録音は1960年代末、ピッツバーグ、とだけ、ある。(20070501/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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by cultmusic | 2007-05-01 00:45 | ジャズ


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